最近、ネットなどの普及のせいか、実際に知り合った人ではない方に、いつの間にか知られているという事がある。しかしながら、それは表面上だけであり、その人本人ではない。人は、話す時や接する時などの表情などから、その人を読み取ることがある。決して言葉のみでその人を判断することは危険である。

　しかしながら、会ったことのない人などは、その人を言葉で判断せざるを得ない。それが嘘、偽りであったとしても、何となく構ってくれる、優しい言葉をかけてくれるというだけで、人を信じてしまう方もいるのだろうが、その判断はとても危険であると思えてしまう。

　そう考えた時に、私は今までの自分の人生の中で、どのような自分なりの決断をしてきたのだろうか…と考えてしまった。それを人に公表した時に、はじめて見えてくる私の一面があるのではないかと思い、自分のある意味自伝のような物を書いてみても面白いのではないかと思ってしまった。

　近頃は、文章が進まなくなってしまっている。元々物書きではないので、下手というよりも、ただ単純に進まないという物である。そんな下手な文章であるが、早速書き始めてみようと思う。

第一　　　生い立ち

　まず人となりの前に、私の生い立ちを紹介させてもらおうと思います。

　昭和４９年１０月にこの世に産み落とされる。あまり本人は気にしていないが、何かと色々な物を当てはめたりして儲けようとしている人がいるものを紹介しよう。寅年のさそり座である。血液型はＢ型。　

　両親、兄の四人家族である。

第二　　　はじめての決断

　親の庇護にあるうちは、子はその範疇の中で生きることしかできない。３歳になり、幼稚園へと入り、はじめて家から出て、親が見ていないところでの集団生活へと入る。しかしながら幼稚園を自分でどこが良いなどと決める子はまずいないであろう。今日は友と遊んで帰るなどと言っても、対した決断というものではない。

　では私の人生の中で影響を及ぼすような決断をしたのはいつなのか…。

　それは５歳の時であったと記憶している。

　たまたま私の兄が水泳を習っていた関係もあり、私は迎えに行く親と共に見に行った記憶があった。プールを上から見下ろすような観客席は、そのまま室内プールの熱気を帯び、蒸していた。時期はいつであったか忘れたが、そのように記憶している。

　兄がどこにいるかなどはわからなかったが、なぜかその光景が目に焼きついたのである。そして自らも水泳というものをやってみたいと思うようになり、両親に懇願したものである。思えばそれが自らはじめて行った決断であると記憶している。

　しかしいざ水泳をはじめてみると、なかなか泳げるようにはならなかった。運動神経のなさはこの頃から今も変わっていないような気がしている。

　同級生たちは、すぐに泳ぎを覚えて、学童のクラスをスイスイと進み、選手コースへと早くに行ってしまった人もいるが、私は遅く、小学校４年になり、やっと選手コースへと進むのであった。

第三　　　発想の転換

　今でも考えは幼い私であるが、小学校の頃は見た目と同じく幼かった。

　高学年の時であっただろうか、全てにおいてではないが、発想の転換を覚えた時期があった。

　ある時、組の女と口げんかになり、泣かせてしまった事があった。私はそれほど人と組んで何かをやるような感じではないが、女は集団で集まることが多く、女を泣かせた嫌な奴という事で、一部の女が私を避けるようになった。それはそれで傷つくものである。同姓、異性とは関係なく、やはり暗い感じになってしまう。

　しかしこの時に、嫌な気持ちを払拭するやり方を覚えたのでした。向こうは私とすれ違う時に、避けていくではないか…。そうか避けられるから嫌なのだ…、自分から避けてしまえば避けられたという感覚は自分にはない。逆に言えば避けてあげているのである。それは非常に優しい人間なのではないか…。

　そう考えれば人の目などどうでも良くなってきてしまう。いかにして自分が嫌な思いをしないでいくか、それは今でも生きている。だがやはり小学生である。それなりに傷つくことは色々な面であるものだ。幼い感覚は、時には涙を流させたが、それも今となっては少なからず成長の一つになったのではないかと思える。まぁ、どんぐりの背比べ、月とスッポン、五十歩百歩というくらいなのであろうが、それでも成長しないよりはましなのだろう。

第四　　　逃げの決断

　中学に入った頃であろうか、選手コースの中でも上のクラスへと上がる機会があった。しかしちょうど私は体調を崩して、他の人たちよりも半月か、一ヶ月後に上げることになった。決して早くなかった私であるが、何とか頑張ろうと思ったのだが…。休み明けで上のクラスの練習にさじを投げてしまったのである。やはりここでは無理なのであろうか…。

　そう思った私は、やはり元のコースへと戻してもらうことになった。まさに情けなさに恥の上塗りをした逃げの決断であった。コーチたちも私の情けなさは知っていたのだろう。それでも水泳を高校２年まで続け、更に学童のコーチまでやらせてもらえたのは、様々なコーチたちに支えられてのことである。水泳をやっていた頃に経験したことは、死ぬまで自分の糧になっているのだと思う。

第五　　　義務教育を終えて

　義務教育を終えて、高校へと進学をする際に、普通科という普通という意味がわからなく、とりあえず何かを習得できるようにと高校を選択した。実際には、その時に取得した自動車整備士という資格は使っていないが、国家資格を受けられたという事は悪いことではなかったと思える。

　ただここでも私の逃げが出てしまう。何だか中国全土を逃げ回った挙句、国を建国した三国志の劉備玄徳のような気がしてしまうが、国を作るような壮大な逃げはできるわけがない。

　部活に入ろうとしたが、特待生が多い中、諦めてしまったのである。何とも情けなかった。

　もう一つだけ出来なかったことがある。実力不足という面と、金銭面からであるが、高校二年の時に、ドラマ好きが講じて、よく新聞などにある劇団員になるオーディションを受けたのである。

　書類審査は何箇所か受かり、二次試験であるが、日にちがかぶったりしたために、テアトルアカデミーと東京放映という二箇所しか受けられなかった。どちらも劇団に入る資格はたまたま得られたのだが、劇団に入るための資金が足りないという事で辞退をしてしまった。実力があれば、特待としてそれほどの資金はいらなかったのであろうが、力不足は補えなかった。

　そういえば、前記もしたのだが、私は高校二年で水泳選手を辞めた。もうこれ以上記録が伸びないだろうと、またしても逃げの決断であった。それを決断したのは、学校の大会ではないが、県大会の決勝に出た時であった。この時点で上の大会に出られないのであれば、続けていても先が見えていると思えたからだ。ただコーチにはドン亀であったお前がここまでこられただけでも続けた甲斐があったと言われ、ありがたい思いをしたものである。

第六　　　就職活動

　高校三年の夏…先生に高校を卒業したら劇団に入りたいという事で、就職をしないでフリーターをやろうかと面談で言っていたのだが、やはり就職をするかという事になった。しかしその決断が遅かったので、二学期に入る直前に担任と話をしたのだった。

　ではどうしようかというところで、なぜか接客業も良いのではという話をした。整備士の資格を取る予定なので、だいたいの人は自動車関係へと進むのだが、ホテルに進もうと思ってしまった。

　通うのならば近くの方がいいかな。安易な考えであった。その時、担任から近場のホテルを受けて来いという話をもらった。後々聞いたのだが、普通科の生徒が受けようとしていたらしいのだが、担任が気を利かせて私を割り込ませてくれたというのだ。それがなければ今の私は存在しなかったであろう。

　指定校枠があるので、試験は無事に合格した。そして地元のホテルへと就職をすることになった。

第七　　　ボクシング

　社会人になり、運動から離れ、何となく体がなまっているところであった。

　元々高校時代から友とボクシングの真似事をやっていたので、ジムへと通いたいと考えた。当時はインターネットなどもないので、雑誌を購入して、そこからジムを選んだ。仕事がホテルという出勤時間などが不規則なので、近場を選択した。

　当時私の視力は０点１もなかったと思う。小学校４年から眼鏡をかけていたくらいである。それでもボクシングジムへと通うことになった。今まで運動は水泳しかやっていなかったので、体の動きなどが違い、筋肉痛になることもあった。それでもボクシングは面白かった。

　そして一つの決断をしたのである。それは当時まだ知られていない視力回復手術をするという事であった。プロボクサーになるために当時は０点６以上の視力がなければならないという事であったので、ジムの会長からプロなどという話しは言われていないができればやってみたいという事で、手術をしたのである。

　今はレーシックという術式になっているが、当時はＲＫという術式であったと記憶している。レーシックはレーザーを当てて反射角度を変えるというが、ＲＫは隔膜に直接メスを入れて角度を変えるというものであった。

　はじめ医師は片目に１０回ずつのメスを入れることを話していたが、ボクシングをやるためという話をしたら８回に変えようという提案をしていた。それでも気休め程度にしかならないのだが、その提案のお陰で、逆に視力は良い具合になった。

　その後プロテストを受け、二度目で合格をした。

　試合は一度だけである。後楽園ホールで行われた。ホテルに勤めているために、会社には内緒での試合であった。しかも翌日はディナーショーなので、内緒で試合を認めてくれた上司は「顔だけは晴らしてくるなよ」と無理な注文をつけてくれた。

　試合は相手に押し切られて判定負けであった。翌日に出勤をすると、左目の上が青タンになっていたので、絶対に客前に出るなと言われ、終始裏仕事をしていた記憶がある。

　せめてもう一度試合がしたい。だが過労で倒れて断念をした。その時にジムの会長からトレーナーをやれと言われ、そこから数名の選手を見ることになった。選手の試合の時にはセコンドに着き、貴重な経験をさせてもらったものである。

第八　　　独立

　高校を卒業して、宴会会場係を一年ほど、宴会酒管理係を四年弱やっていた頃である。バーテンダーの上司と話をしていた時のことである。「ホテルの人間は大勢いるが、コックやバーテンダーはホテル内のみならず、他でも通用する肩書きがある」という話しのついでで、将来は独立したいとその上司は言っていた。確かにベルボーイやフロントマンなどはホテルならではである。

　バーテンダーか…確かに私はＨＢＡというホテルのバーテンダーの資格を宴会酒管理係でありながらも取得させてもらっていた。上司はそろそろバーへの移動も考えていてくれたようである。

　しかし不意に飲みに言っていたバーのマスターから、辞めるのでもし良かったら後釜を探しているという。数人に声をかけているらしいが、私にも声がかかった。

　当時私は２３歳である。管理部門にいたこともあり、それなりのことはできるのではないかと思い、独立を決意した。もしも駄目であったとしてもまだまだやり直しが効く年齢である。そういう事も後押しになったのだろう。

　ではということで、独立をしてしまった。資金がそれほどなかったので、酒の酒類が少ないところからはじめた。今では考えられない量である。

　だが宣伝も何もせずにはじめた店は、それほど客が入らなかった。しかたがないので、昼にアルバイトをしながら続けたものである。そのアルバイト先の人たちと、深夜に麻雀に行ったりカラオケに行ったり、若さに任せて遊びもしたものである。

　その後、ホテルから声がかかり、昼のアルバイトは元いたホテルのレストランに切り替わった。

第九　　　やるだけやろう

　昼のバイトがホテルになる前の頃だっただろうか…。

　このままバーを続けていても先がないくらいに、儲からなかった。実際には今も客が来ないので有名な店なのであるが、本当に辞めようかと思った時期があった。

　だがやりたいこともやらずに辞められるかという思いになった時があった。それは知り合いのバーテンダーに誘われて浅草へと飲みに行った時であった。時は１９９９年、今のようにウイスキーブームもなく、好きな人たちだけが楽しむものであった。私もその一人であった。

　その浅草の店は、マニアの舌をうならすほどにウイスキーを置いている店であった。これだけの品揃えをしてもやっていけるのだから、好きな事をやろう。やるだけやって駄目であれば辞めればいい。

　そんな思いの中、ウイスキーを集めることをはじえめた。しかも当時、全部の蒸留所のウイスキーを飲もうにも、全部を置いている店に出会ったことがなかった。だったら自らがやろう。

　四年を計画して、ウイスキーを集めることにしたのだが、昼のアルバイトの金を購入資金へと回した。この頃、リキュールなども定番のものではなく、自らが気に入ったものを使用しようと、あちこちで酒を買うことになった。

　しかも近くにバーを出した知人が、良い酒屋を見つけたということで、２月に一度くらい、車を出し合って買出しに行ったものである。だいたい一回行くと１０万〜１５万くらいは購入した記憶がある。

　客が来ない店の本領発揮なのか、今でも当時に買った酒は残っている。それを目当てに来てくれる客がいることは、先見の明ではなく、自らの趣味に走ったお陰であろう。

第一〇　　　新たなる転機

　私が二五か二六くらいだった頃であろうか、弟子ができた。と言っても給料は払わない。勉強をさせるだけというものであった。しかし将来その弟子と共に色々とやっていければと考えてしまうが、ただでさえ客がこない店である。

　そこに舞い込んできたのが、ある証券会社であった。当時は知識も何もなく「絶対に儲かる」という話しに乗ってしまった。しかし大損をしてしまった。考えていた事が完全に頓挫してしまったのである。

　その後、ホテルのアルバイトを辞める事件があった。

「すみません、まだ料理がこないとお客さんが言っているのですが」

　調理場へと確認に行ったときであった。昼の時間が終わり、喫茶中心の時間で、料理が遅れるなどということはまずない事である。その時にいたコックが

「仕込みが忙しいからちょっと遅れる」　

　という話しであった。腹を立てた私は

「わかりました」

　とだけ答え、怒った表情のまま客席へと出て行った。その私の表情に違和感を覚えた上司が

「どうした」

　と言うので

「仕込みが忙しくて料理が遅れますって客に言ってきます」

　と言ったら、

「ちょっと待て」

　と言って調理場へと向かっていった。その後話をつけたらしいが、私はそのまま伝えたほうが客のためだと思っていた。

　そんな事もあり、ここに居ては駄目だなと、アルバイトを辞めることにした。

　そして近くにあるフィットネスに昼は通うことにした。その時に出会ったフットネスの職員で、プロボクサーを目指している人がいた。その話を聞いてから、たまに一緒にトレーニングをしたりしていると

「もう一度プロでやればいいじゃないですか」

　という誘いを受けた。

　プロまでいかなくても、確かにもう一度ボクシングをやることも悪くはないと思った。しかし問題は体重であった。２１歳の時に試合をした体重は約５２キロ、減量前でも５５キロ程度であった。しかしその時の体重は６７キロである。

　ただジムへは通って見たいと、東十条のジムへと通った。やったらやったで何とかなるものが人間である。２９歳の時に再びプロテストに合格した。しかしながら怪我なども多く、試合をするまでには到らなかった。

　その当時、よく練習後に駅まで歩くと、心臓が苦しくなることがあった。後々わかるのだが、確か左心室だったと思うが、頻拍という脈が極端に上がってしまう不整脈であることがわかった。

　そういえば決断とは異なるのだが、面白いことが一つあった。

「すみません」

　自転車の私服と制服の警察二名に呼ばれたときであった。

「はい」

「あの日本人ですか」

　何と言う質問だと思った。

「日本人ですが、何か」

「背中のリックには何が入っているのですか」

「運動をした後の練習着ですが」

「ちょっと見せてもらってもいいですか」

　何のことだかわからずにいた時に、明らかに練習をしてきたと言わんばかりの後輩が来た。そこで警察は中を見せなくてもいいという話しになった。何ゆえリックの中を見たかったのかと聞いたところ、外国人のピッキング犯が多く出ているという話しであった。

　私は外国人のピッキング犯に間違えられたのだ。確かに髭を生やし筋肉質の体をしているが、そんなものに間違えられるとは思わなかった。

第一一　　　アルバイト

　ボクシングを辞めるか悩んでいる時、ホテル時代の先輩から昼の仕事を手伝ってくれないかという話しがあった。丁度良く辞めるきっかけになると思い、その話しに乗った。大宮で結婚式もやっている中華の店であった。

　そこで私は結婚式のキャプテンなどもやりながら、仕事を行った。しかしそこで問題が起こった。私を誘った男は横暴だった。自分がやりたい放題できる状況を作りたいがために、ホテル時代の愛人も仕事に引き入れた。しかもブライダルの女やサービスの女にも手を出していたので、問題は更に山積した。

　横暴が過ぎるようになったので、女たちもその男を追い落とすことに賛同してくれた。私は何とか計画をして、色々な策をたてようとした。そんな時に、運営側から連絡が入った。最近動いているようだが、しばらく静観していろという話しであった。自らの無力を感じたときであった。

　しかし運営側も問題だと考えていたのだろう。その男は仕事中に酒を飲んだりもしていたので、首を切られることとなった。

　ひとまず平穏を取り戻し、私はアルバイトでありながら行っていた勤務作成などの仕事を、ホテルから男が引き入れた愛人に全て教えて、仕事を遂行しようとした。だがその女に全ての仕事を引き継いだ時に、私が目の上のタンコブになったのだろう。その女が私を勤務に入れないようにしはじめた。私は面倒だったので、義理も何もない職場を辞めた。その時、すぐに引き合いがあり、他の中華料理屋で働いた。

　半年もしない頃だろうか、ホテルの先輩から手伝って欲しいとの連絡を受け、ホテルのアルバイトに戻ることになった。だが、二度ほど人間関係で面倒があったので、そのホテルは辞めることになった。昼のアルバイトの話しはそのくらいだろうか…。

第一二　　　バーテンダー協会

　前々から知っている先輩に、昔から誘われていたのが、バーテンダー協会である。その方は以前バーテンダー勉強会を催していた関係もあり、私も参加させてもらっていた。その後「カクテル倶楽部」なるものを作るというので、そこで広報の仕事をさせてもらった。

　話が前後してしまうが、それは２０００年くらいの話しである。ホテルの宴会の仕事をしていた関係もあり、その倶楽部で行った飲食の催しも運営側として参加させてもらった。

　３年くらいするとその倶楽部は地域色が強くなり、私は辞めることとなった。その頃からバーテンダー協会へと誘われていた。　

　２００７年くらいだったと記憶している。私が３３歳くらいの頃である。独学で勉強に行き詰っていた私は、先輩がやっているのであれば色々な勉強ができるとバーテンダー教会へと入会した。

　広報の仕事をしながら、様々な勉強会へと参加をさせてもらった。その後は副支部長などもさせてもらい。様々な経験をさせてもらえた事は、私にとってありがたいものであった。

　そのバーテンダー協会は２０１８年に退会した。これ以上いても新たしい支部長の力にもなれない状態であるし、それほど頼られることもなくなっていたので、老害は去るべきであろうと思ったからだ。

　バーテンダー協会の埼玉では色々な事を学ばせてもらったので、今後の発展を期待したいと思っている。

第一三　　ウイスキーセッション

　８年くらい前の話しであったと思う。

　とある先輩から、バーテンダー協会などとは関係なく、ウイスキーのイベントをやらないかと声をかけてもらった。ぜひという事で、ウイスキーのイベントをしようという話しになり、その時に丁度良くベンチャーウイスキーが三年物のウイスキーをお披露目するという事で、そこに合わせて大宮のホテルでイベントを行った。

　私の古巣のホテルであったために、話しは進み、私は会場の責任者として、動くことになった。その後、川口でのウイスキーイベントを経て、秩父へと場所は移動した。

　実際の運営という面では、数名が動いているので、私は年に数回の会議を行い、運営側ということで、今でも参加させてもらっている。やはり会場全体を見る係りを担っている。何かあった時に、ボクシングの経験もあるので、そんな仕事をさせてもらっている。

　今年は６回を終え、更に続いていくであろうイベントを見守っていきたいと思う。そのうち私のような人間はお払い箱になるであろうが、自分のやっている仕事を後の人たちに次いでもらえるようにすることが、今の命題であろう。

第一四　　　オヤジファイト

　私が第一一で書いた中華の店の勤務が少なくなったという頃、軽くボクシングなどをやっても良いと思い、近くにあったジムへと通った時期があった。しかしそのジムはあまり肌に合わずに辞めてしまった。

　３４歳の頃であったと記憶している。やはり運動はしたいという気持ちになり、色々と探してみた時に、地元にボランディアのコーチを募集しているボクシングジムがあった。そこに面接を受けに行くことになったのだが、そこの会長は以前ちょっと通ったジムへと来ていた人であった。そのジムで少し目についた選手を教えたりもしていたのを見ていた会長は、すぐに私を受け入れてくれた。

　軽く自らの運動もしながら、コーチをしていた。まだ昼のアルバイトをホテルでしていたときである。だがホテルをやめた時、一つの手術を受けることになった。第一〇で記した不整脈の手術である。不整脈が起こると脈が上がってしまい、検査の時には確か２３０くらいの脈拍数を記録したくらいである。

　若いから平気だが、手術はした方が良いという話しであった。まあ急ぎではないので、いつでも良いという話しであったが、できるのならばしてしまおうという事になり、２０１１年４月に手術を受けることになった。３６歳の時である。

　無事に手術を終え、今までよりも運動をしても平気だという事で、負荷をかけるようにした。体重も減り始めたので、オヤジファイトへと出てみようという事になった。２０１２年には年齢別のタイトルも取らせてもらい、ジムには感謝の一言であった。

　４１歳の時に再び試合に出て、今後再びタイトルを取れればと思ったが、網膜剥離になったので、試合に出ることは辞めた。その後ジムへ閉鎖してしまったので、その後は仲間内で軽く練習をやる程度となった。

第一五　　移転から現在

　１９９８年から独立してバーをやってきたのであるが、２０１５年に大家が代替わりして、将来的に出て欲しいという話しになった。そんな時に、たまたま先輩が店を辞めるということで、居ぬきでそこに入れることとなった。１０月１７日に以前の店を閉め、２６日に現在の店を開店させた。

　全ての荷物を動かすなど、色々大変な思いもしたが、無事に今まで続いている。

　客の少ない店は今でも健在である。

　ここまで３時間くらいをかけて私の決断を記してきたが、まあたいした事をやっていないといえばそれまでである。けれども私という人間は何となくわかってもらったのではないだろうか…。

　推敲作業もせずに曝した文章は、私の適当さなので、どこかで間違いなども多くあるだろうが、こんな感じである。

　私はよく「自分が人として一番下である」と言う。この程度が通常という意味で言っている言葉であり、行動しようと思えば誰にでもできることである。まだまだ上があると意味もあるが、まあ登るほどの努力はそこまでしてないのが現状だ。

　まだまだ情けない人間であるが、今後ともお付き合いいただければ有り難いと思います。

加筆

　一つ、忘れていたことがるので、加えさせていただきます。

　平成２４年の時に、葉巻を注文している店舗の方が体調が悪く、発注ができなかったことがある。のちにそちらの方から「自ら煙草の販売免許を所得してみないか」という話をいただいた。

　店に特別に販売権が取れないかと動いてみたのだが、申請機関にそれは無理だという事を聞きました。しかしながら、だったら自宅にて免許を取得してみてはという話をいただいた。

　とりあえず申請だけでも、という話であったが、店舗がない状態では難しいという話であった。実際に免許を取得した際には、一か月以内に販売を開始しなければならないという事であった。

　しかしながら、私は少し動いて、たまたまであるが免許の取得することが可能になった。

　平成２５年の春先から、煙草の販売権を得て、自らの店の葉巻を得る手段ができた。それほど売れるというわけではないが、店の葉巻を入手するという目的は果たすことができた。