カクテル倶楽部の会報を毎月書き始めて、自らの文章である「リキュールの彩り」を掲載 しはじめる。今までリキュールというものはカクテルを造る上での副材料であり、その他の 用途などはあまり気にはとめていなかった。しかし、文章を作る上で勉強をしてみると、製 法などは、同じリキュールであっても製造会社によってまったく異なっており、何とも複雑 な世界に安易な気持ちで足を踏み入れてしまったと、しばしの後悔の念もあった。 けれども知れば知るほど面白みを増してくるリキュールの世界に、没頭しても良いのでは ないかと思えてくるときがあった。そして、その願いが叶ったのが、2001年5月から2 002年4月までの間に行われた「リキュール勉強会」であった。 彩の国カクテル倶楽部のメンバーを中心に行われたこの勉強会は、リキュールを軽視して いるバーテンダーが多い事を、如実に現していた。参加人数は毎回3人から5人程度。たま に来るような人がいても、それは著名なリキュールを行うときだけで、それ以外は毎回同じ メンバーによるものであった。でも、それはそれで良かったと思う。勉強をする気のない人 と共にいて、無駄な時間にならなくて…。 だいたい一回の勉強会で2種類のリキュールを用意する。たとえば、アップル&アプリコ ットといった感じである。そして各種3本から多い時で5本程度を準備して、チャートをつ けながら味を確認していくといった地味な勉強会である。単体で飲めるリキュールと混ぜな ければ飲めないものと、確実に分かれていく。それは良し悪しではなく、個性なのだが、本 当にどちらにしても使えない物まで出てきてしまう。ブランド名だけで使用されるリキュー ルよりも、探せばもっともっと楽しめるリキュールが出てくるではないか…。何とも楽しく その都度、新しいリキュールが店頭に並んでいった。 単体でも飲めるリキュール。お客さまの中でも、それは以外だったようだ。確かにバーテ ンダーが私たちのそんな奇行に驚いていたのだから無理は無いのだろうが…。やはり、それ だけこだわった材料を置ける店がないのだろう。もしくは、悪く言ってしまえば、それだけ 勉強不足なのだ(私も含めてなのだが…) そして、リキュールをテイスティングした後には、即興でカクテルをこしらえる。もちろ んスタンダードの物などはない。個々のバーテンダーがオリジナリティーを出し合って自分 の味を作る。ここでは初めて使うものが多く、数々の失敗も生まれたが、誰もが考えなかっ たほど、相性の良いカクテルが出来たことも多々あった。 リキュールが楽しいと思えるうようになった時期から、やはり自らが良いと感じる商品を 置くようになった。まだまだいじりたいところが多々あるが、結構なリキュールを使ってい ると、関心してしまう。 余談ではあるが、リキュールは単体でも楽しめる、そして水割りでも楽しめる。しかし、 これだけは覚えておいて頂きたい。全てのリキュールがそうではないと言う事だ。はっきり 言って、製造が悪いとアルコール臭さなどが出てくる。しっかりとした造りのリキュールは ふくらみや、単体では感じなかった味が、それによって出てくることもある。であるから、 商品を見ながら、リキュールを楽しんで頂かなければならない。 でも、疲れているときのフルーツリキュールのエキスがしっかりと出ていて、アルコール 臭さが無いやるは、個人的に最高ですね。 |